パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」その11 ~ライブパートナー機能を使ってみた~
カップルや夫婦での週末のロングライド。目的地まで一緒に楽しく走り切るためには、体力レベルが高い人がペースを合わせてあげることが大切です。いっぽうで、週末のチーム練習会なら、一人ひとりがしっかりと追い込んでトレーニングの質を高めたいところでしょう。いずれのシーンにおいても、パイオニアの新型サイクルコンピューターSGX-CA600の「ライブパートナー機能」は大いに役立つ注目の機能です。
今回は、普段は体力レベルに差がある男女二人(ハシケンとヒナタ)がライブパートナー機能を使って週末のライドに出かけたレポートを紹介します。
ライブパートナー機能を使うための条件
まず、ライブパートナー機能を使うためには、お互いにSGX-CA600を持っていることが条件になります。サイクルコンピューターとして評価の高いSGX-CA600の普及は急速に進んでいるので、練習会で仲間が持っているというシーンも増えるでしょう。
お互いのSGX-CA600をリンクさせる設定はシンプルです。ペアリングの仕組みや設定方法については、こちらを参考にしてください。
互いのSGX-CA600をリンクさせることで、お互いにデータを確認できる
理想のペーシングが可能になる!
これまで一緒にロングライドなどを走ることがあっても、あくまで相手のペースに合わせる基準は感覚でしかありませんでした。例えば、坂道で離れてしまったから、ペースを落とすという具合でした。実は、これでは離れてしまった時点で、離れた相手は体力の限界に近づいているわけで、その後、目的地までキツイ状況が続いてしまいます。すでに体力ゲージがレッドゾーンへ達してから、対応しているようなものなのです。
それが、「コーチ」が「パートナー」のパワーや心拍数データを、自身のサイクルコンピューター画面でリアルタイムにチェックすることで、相手がレッドゾーンに近づく前に早めに察知できます。これこそ、体力が劣る仲間への理想のペーシングと言えるでしょう。
安心して自信を持って先頭でペースを作れる
さて、相手の体力レベルは何のデータで把握すれば良いのでしょうか。
まず、相手が初心者の場合、パワーメーターがなくても、心拍計さえあれば心拍数から現在の強度のゾーンを客観的に知ることができます。
さらに、パイオニアのサイクルコンピューターがあれば、「自分の限界に対する追い込み具合」(100%を限界値として表示)を表す「インテンシティ」機能を使えます。これが超便利で、SGX-CA600ではタコメーターのようにビジュアルで表示してくれるので、ペースコントロールにひじょうに役立ちます。ロングライドではインテンシティを60~70%を目安にすることで最後まで無理なく走りきれるので、「コーチ」は、このメーターをチェックさえしていれば、「パートナー」の体力が削られる心配なく走ることができます。
ライブパートナー機能ではインテンシティが便利な指標になる
これまで、一緒に走っている中で、「このペースで大丈夫かな?」という不安に思うことがしばしばありましたが、ライブパートナー機能を使えば、安心して先頭でペースを作ることができました。しかも、その日の相手の体調も考慮されているので、単なる心拍やパワーの数値だけでないリアルなコンディションを反映したペーシングが可能になるのです。
パートナーは自分自身の走りに集中できる
コーチにとっては、自信を持ってロングライドのペースや計画を立てることができるメリットがあります。パートナーにとっては、データを自分自身でチェックしなくても、コーチを信頼して走りに集中することができるという点がメリットといえるでしょう。当然、ペースは平地でも上りでも安定していて、走りやすいことが実感できたようです。
また、ロングライドで「そろそろ休みたい」というタイミングで休憩を取れる点もありがたいところです。
体力の劣る相手のペースに合わせて休憩を入れてあげることができる
このように、ライブパートナー機能を活用することで、週末のロングライドがお互いに楽しくなることを実感できました。次回は、本格的な峠を含むトレーニング目的での活用法を紹介していきます。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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