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パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」その3 ~カラーグラフィック化で取り組みやすくなった! FTP計測にチャレンジ~

今回は、1月から発売されるパイオニアの新型サイクルコンピューター「SGX-CA600」を使って、パワートレーニングの初めの一歩とも言うべき「FTP」を測定してみようと思います。ローラー台にまたがること自体、実は4ヶ月ぶりだったりします。

その前に、パワートレーニングをこれから始めようと思っている人向けにFTPについて簡単に紹介します。なお、FTPについて既知であれば読み飛ばして、SGX-CA600でのFTP計測のレポートへどうぞ。

 

FTPについて知ろう

FTPとは、1時間を全力で走り切った時に出せる平均出力(平均ワット)のことです。短時間のスプリント力と数時間走り続けられるスタミナとの間の強度というイメージで、FTPが高いほど身体能力が高く、パフォーマンスレベルが高いと言えます。つまり、その人の自転車における戦闘力のような数値なのです。運動生理学的には、強度が上がり、乳酸が発生し出す手前ギリギリのゾーンを指します。持久系スポーツである自転車競技で重要なパフォーマンス要因となる有酸素運動能力の上限と言い換えることもできるでしょう。

パワートレーニングでFTPを測定することが重要な理由は、トレーニング効率を高めるためです。FTPがわかれば、パワー(単位:W)によって細かく強度ゾーンを分けられます。ぼんやりと身体に負荷を与え続けるのではなく、目的別に狙ったゾーンでトレーニングを実施することで、最小の努力で最大の成果を得ることができるようになります。このように、ゾーン分けの基準となるFTPを正しく測定することはパワートレーニングの基本なのです。

 

初めてのFTP計測は、体重から目標ワットを設定

SGX-CA600でのFTP計測は、トップ画面の「トレーニング」→「FTPテスト」を選択すると始めることができます。その前に、目標とする「ターゲットFTP」を入力しておく必要があります。初めての場合は、どのくらいを目標にして計測すれば良いのかわからないはずです。そんな時は、次の方法を参考にするとよいでしょう。体力に自信がなければ体重の3倍(体重70kgなら210W)、人並みの体力だと思えれば体重の3.5倍(体重65kgなら230W)という具合です。なお、「ターゲットFTP」だけでなく、現在の体重も正確に入力することを忘れずに。

 

20分FTPテストがデフォルトされている

話を戻して、SGX-CA600では正確なFTPテストのためのメニューが組み込まれています。メニューは次の通りです。

20分のウォーミングアップ→1分ケイデンス100回転×3→5分レスト→5分高強度→10分レスト→20分全力走(FTP計測本番)→クールダウン

各タームでの目標パワーについては、目標FTPから自動的に算出されて、ターゲットワットとして表示してくれます。テストでは、ただその数値に従ってペダリングをすればよいのでシンプルです。

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」FTP計測 チャレンジ

 

メニューのグラフィック化がありがたい!

今回、久々に身体に鞭を打ってFTP計測に挑みましたが、実に身体的な負荷が高いトレーニングテストだと改めて実感しました。そんな苦しいテスト中にも、SGX-CA-600の魅力を感じることができました。それは、やはりトレーニングテストのカラーグラフィック化です。つまり、上記のメニューが強度グラフで表示されるので、ただ数値を追いかけているよりもメンタル的に楽に感じられました(身体的負荷は変わりませんが)。

グラフは、ディスプレイ下の3つのハードボタンで拡大・縮小でき、メニュー全体を見渡したり、細かい出力状況のチェックもできます。ちなみに、実際に出した出力は赤いラインで表示されます。グラフ自体は時間の経過に合わせてスクロールしていきます。

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」FTP計測 メニューのグラフィック化

 

また、FTP計測に最適な表示項目はデフォルトされており、ターゲットパワーと実際のパワーを同時にチェックできます。さらに、タスクごとの経過時間と残り時間を表示してくれるので、キツくなってからもなんとか踏ん張ることができます。

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」FTP計測 タスクごとの経過時間と残り時間を表示してくれる

 

このように、カラーグラフィック化によって、キツくてしんどいFTP計測が、気軽にとは言えませんが、少しは取り組みやすくなっていることを実感しました。それにしても、久々の追い込みに疲労困憊です。

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」FTP計測 FTPを更新するかどうかのお知らせ画面

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」FTP計測 ヒストリー

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」FTP計測 ヒストリー

 

パイオニアなら推定FTPという手もある

どうでしたでしょうか。SGX-CA600でのFTP計測の様子をお届けしましたが、実はパイオニアのデータ解析WEBサービスの「シクロスフィア」では、FTP計測をせずとも、過去のライドのログデータから推定FTPを算出してくれるのです! ロングライド派で、「キツくてしんどいFTP計測はしたくない」という方にこそ、パイオニアは有り難いサイクルコンピューターとパワーメーターと言えるかもしれません。

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」その2 ~カラーグラフィック化で、状況をリアルタイムに把握!~

パイオニアの新型サイクルコンピューター「SGX-CA600」が、いよいよ発売間近になりました。長らくSGX-CA500の1本勝負だったパイオニアから、久々の新型モデル登場とあって気になっている人も多いのではないでしょうか。

前回は、入手した実機のリアルなサイズ感からボタン操作の感覚など、ハード面について紹介しました。今回は、実際にペダリングしながら、ファーストインプレッションをお届けします。

 

起動

まず、電源ボタンを長押しすると、ペダリングモニター付きのクランクのイラストが回り出して起動し始めます。正直、やや立ち上がりに時間を要する気がしますが、ライドの最初の1回だけならストレスにはならないでしょう。

ちなみに、「スリープモード」があるので、長めの休憩などでバッテリーの消費を抑えたい時に便利です。スリープモードからの立ち上がりは早く、ストレスを感じません。

 

初期設定

購入直後にやるべき初期設定にはいくつかありますが、まずはペダリングモニターやパワーセンサーとのペアリングを実施しましょう。

トップ画面にある「バイク」→「センサー」を選択すると、周辺の各種センサーを感知し出し、ペアリングできます。

続いて、「バイク」→「ツール」→「ペダリング設定」→「マグネット校正」へ。ペダリングモニターのベクトル表示には不可欠な「マグネット校正」を実施できます。「校正スタート」でゆっくりペダリングをすると、1回転ごとセンサーを感知して校正が完了します。

次は、正確なパワー測定には欠かせない「ゼロ点校正」です。クランクを止めて、クランク位置が地面と垂直(90°)になるようにしてしばらく待つと「成功」(または「失敗」)と表示されます。ここまでの流れは動画でも確認できるのでチェック!

 

トップ画面の項目

なお、トップ画面の項目には「バイク」「校正」「トレーニング」「設定」「コース」「ヒストリー」の6つが用意されています。全てアイコン付きなので、何を示しているのかわかりやすい印象です。ライド前に校正を行うことで正確なパワー測定ができますが、トップ画面から「校正」へダイレクトにアクセスできる点もありがたいところです。

SGX-CA600では、この先で紹介する各種機能もほとんどがグラフィック化されています。文字だけでなくビジュアルで把握できるので、出力や強度、ペダリングなどの状況を直感的に掴めます。しかも、モノクロではなくカラーなので、そこにはディスプレイを見る楽しさがあり、ライドのモチベーションアップにも一役買ってくれるでしょう。

カラーグラフィックで直感的に状況を把握できる

カラーグラフィックで直感的に状況を把握できる

 

ディスプレイの解像度が上がり、ペダリングのベクトルも見やすくなった

ディスプレイの解像度が上がり、ペダリングのベクトルも見やすくなった

 

データフィールド

さて、パワー、スピード、ケイデンスなど多様な項目が並ぶ「データフィールド」について紹介します。CA500同様にページ内の分割や表示する項目は自由にカスタマイズできます。

CA600の大きなトピックのひとつが、新しいスマートフォンアプリケーション「Cyclo-Sphere Control App」から、手軽にカスタマイズができるようになる点です。

なお、新アプリは、1月リリースなので、今回は、サイクルコンピューター上で操作してみました。分割画面はマスで区切られたビジュアルで把握でき、項目もデータのタイプごとに整理して選べるので悩むことはありません。

ディスプレイの表示項目をカスタマイズするデータフィールド

ディスプレイの表示項目をカスタマイズするデータフィールド

ディスプレイの表示項目をカスタマイズするデータフィールド

 

とはいえ、スマホから直接操作できるCA600の魅力を早く感じてみたいところです。なお、アプリとの連携は、CA600から新たに加わった「Bluetooth」通信規格によって実現しています。

走行ログデータ(記録・アップロード・解析)の流れ

走行ログデータ(記録・アップロード・解析)の流れ

 

次回は、カラーディスプレイ化されたパワーデータをはじめとする、各種機能にフォーカスしてインプレッションをお届けする予定です。

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」その1 ~開封の儀から操作性をはじめとするハード面を紹介~

パイオニアの新型サイクルコンピューター「SGX-CA600」。今年11月のサイクルモードでお披露目され、いよいよ2019年1月中旬から全国のショップで発売されます。

パイオニアのパワーメーターと言えば、ペダリング時のパワーだけでなく、力の入力方向を示すベクトルを可視化できる「ペダリングモニター」が最大の特徴です。これから複数回に分けて、その頭脳とも言えるサイクルコンピューターの機能を1つ1つピックアップしながら、実践を交えてレポートしていきます。今回は、本体の操作性などハード面について紹介しましょう。

 

外観やボタン配置

パイオニア「SGX-CA600」の立派な化粧ケース

立派な化粧ケースを開きSGX-CA600を手に取ってみます。サイズ感は大きすぎずコンパクトな印象です。長年愛用してきたCA500が横型なのに対して縦型のフォルムを採用。そして、ボディ厚は薄型化しています。

スクリーンサイズは1.97インチから2.2インチへとやや拡張。そして、SGX-CA500はモノクロですが、SGX-CA600はカラー化へ。QVGA(解像度)も高めて、格段に視認性が高まっています。

基本操作をつかさどる側面ハードボタンは、左側に1つ、右側に2つ配置。右下ボタンを長押しすると電源が入り、ワンクリックでスタートします(『ロギング開始』と表示されます)。左ボタンは「戻る」機能、右上は「ラップ」機能などの役割を果たします。これらはCA500と基本配置が同じなので、新型に乗り換えても親しみやすいはずです。

最大の特長は、ディスプレイ下に配した3つのハードボタン。これらは「項目の決定」や「画面の送り」などの機能を持ちます。なお、SGX-CA600ではタッチパネル操作を廃止していますが、その理由については、「操作の確実性を重視したため」だと関係者は話していました。実際、ボタンを押したときに「カチッ」としたクリック感を得られるのはSGX-CA600ならではです。

 

スマートフォンアプリ

Cyclo-Sphere Control App(シクロスフィアコントロールアプリ)

このように、本体側ではハードボタンに集約して確実な操作性を実現したSGX-CA600ですが、それも新しいスマートフォンアプリ「Cyclo-Sphere Control App(シクロスフィアコントロールアプリ)」との連携あってこそ。通信規格を従来のWi-FiとANT+に加えてBluetoothにも対応させ、スマートフォンとの接続を容易にしています。これにより、サイクルコンピューター本体だけでなく、スマートフォン上での各種設定や操作を強化。たとえば、ディスプレイ表示項目の設定、ペダリングモニターの校正、ファームウエアの更新など、複雑な操作をスマホ上で一括操作できるようになっています。なお、新型アプリは2019年1月リリース予定です。アプリからの操作性については、後日改めてレポートします。

 

実測重量

ここでは、新製品レビューの通過儀礼でもある実測での重量も記載しておきます。ボディの実測重量は92g(カタログ値どおり)とSGX-CA500に対して18g増。これはバッテリーサイズが大きくなったためです。ボディを取り付けるマウント重量は30gで、SGX-CA500に対して5g増。本体とマウントともに微増ですが、気になるレベルではないでしょう。

CA500とCA600の比較(表面)

CA500とCA600の比較(裏面)

 

エアロフォルムを採用したマウント

新設計のマウントにも注目です。空力性能を追求したエアロフォルムを採用しています。素材には強化プラスチックを採用し強度を向上。さらに、クランプ部分の内側にラバーを採用してグリップ力を強化するなど細部まで作りが細かいです。また、ボディ本体との固定形状はSGX-CA600限定ではなく、欧米で人気のWahoo(ワフー)サイクルコンピューターと互換性を持たせています。

パイオニア「CA600」のエアロフォルムを採用したマウント

パイオニア「CA600」のエアロフォルムを採用したマウント

 

ここまで、開封の儀から操作性を中心にハード面のレビューをまとめました。気になるナビゲーション機能やパワーデータに基づく各種機能については、実践インプレッションを交えながら、次回以降から続々と紹介していく予定です。

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

サイクリストの次世代GPSサイクルコンピューターが誕生 ~パイオニアSGX-CA600~

今もっともホットなサイクルコンピューター

近年、サイクルコンピューターは驚異的なスピードで進化してきました。GPSによるマップ機能、パワーメーター機能との連携、Wi-Fiなど様々な通信規格との準拠。最近は、STRAVAをはじめとするスマートフォンアプリケーションとの連携もトレンドです。

目覚ましい進化とともに新興ブランドの参入も多くなっています。そんな群雄割拠のサイクルコンピューターの世界に、注目のモデルが誕生しました。先日開催されたサイクルモード(幕張)でお披露目となったパイオニアの次世代GPSサイクルコンピューターです。モデルナンバーは「SGX-CA600」。

パイオニアのサイクルコンピューターの代名詞といえば、ペダリングを視覚的に解析できる「ペダリングモニター」でしょう。実際、パフォーマンス向上を目指すアマチュアサイクリストを中心にファンを獲得してきた経緯があります。

そんなパイオニアから4年ぶりに新型モデル「SGX-CA600」が登場しました。今もっともホットなサイクルコンピューターと言えるでしょう。

「SGX-CA600」は、前作の「SGX-CA500」の良い部分を引き継ぎながら、使い勝手の改善や最新のトレンドを搭載したモデルへと正常進化を遂げています。そもそも、パイオニアのサイクルコンピューターは、独自のパワー測定システムの構築によってライダーのペダリングをリアルタイムに可視化するという画期的な「ペダリングモニターセンサー」と連携するディバイスとして価値を高めてきました。

 

SGX-CA600の特長

新型モデルのボディは縦型へと変更

さて、「SGX-CA600」の特長をみていきましょう。まず、新型モデルのボディは、主流の縦型へと変更されました。さらに、ディスプレイサイズの拡大、カラー化も実現。

従来はタッチパネル式とボディ側面のボタン式を併用していましたが、新型ではボタン式のみに変更。押しやすくもカチッとした操作感が印象的です。タッチパネル式を廃止した理由は、ボタン式に比べて確実性が劣るためです。グローブ装着時など実践でのストレスフリーを考慮した設計と言えそうです。

新型ではボタン式のみに変更

 

ナビゲーション機能の搭載も新しいトピックです。STRAVAなどで作成したコースを転送することで活用できます。最新の高精度GPSに対応し瞬時に現在地を把握。そして、目的地までのルートをナビゲートしてくれます。

ナビゲーション機能を搭載

 

また、グルーブライドをしているときに仲間のデータを自分の画面に表示できるライブパートナーは面白い機能です。ビギナーライダーが一緒に走っているベテランライダーのパワーを参考にすることで、効率的な走り方を身につける近道になることでしょう。

仲間のデータを自分の画面に表示できるライブパートナー

 

ディスプレイの表示は、9項目から15項目へと増加。シーンに応じたデータ表示の幅がより広がることになります。

このほかにも、通信規格がBluetoothに対応し、Wi-FiやANT+に加え、スマートフォンとの連携を強化。

精密機器の防塵・防水性能としては最高レベルのIP66/IP68を獲得し、悪天候下での操作にも対応します。

このように新機能の搭載はもちろん、既存のスペックも正常進化を遂げた「SGX-CA600」ですが、中でも注目したい点が、ペダリングモニターセンサーはじめ各種パワーメーターから収集するパワーデータのグラフィック化でしょう。ペダリング時のベクトルや、負荷レベルを示すパワーグラフ、時間ごとの持続可能なパワーを示したMMPグラフなど、従来は数値のみでしか表示されなかった各種データを感覚的に把握できるようになっています。これらパワーデータに基づくデータだけでなく、ナビゲーション機能のコースプロファイル表示なども含め、合計15項目がグラフィックで表示されます。

ペダリングモニターセンサーはじめ各種パワーメーターから収集するパワーデータのグラフィック化

 

このグラフィック化は、パワーメーター初心者のアマチュアレーサーはもちろん、ロングライドやファンライド志向の週末サイクリストにこそ注目してほしい点です。数値だけが表示されるデータ画面が苦手でも、「SGX-CA600」では効果的なグラフによって直感的に状況を把握できます。

3万6800円(税別)という価格も、次世代の多機能サイクルコンピューターとしては妥当でしょう。

ファンライドを目的とするサイクリストの走るモチベーションを高めてくれるパイオニアの新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」。最近スポーツバイクを始めて、初めてのサイクルコンピューターを検討しているサイクリストにオススメです。

サイクリストの次世代GPSサイクルコンピューターが誕生 パイオニアSGX-CA600

 

SGX-CA600の各種機能については、今後、実践を交えながら詳しくレポートしていく予定です。

パイオニアSGX-CA600の仕様

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

STRAVAの魅力と活用 ~すべてのサイクリストをつなぐ、アスリートSNSアプリ~

STRAVAとは?

「STRAVA(ストラバ)」とは、日頃、ひとりでロングライドを走っていたり、近所の峠でヒルクライムを頑張っている人に、より多くの走る刺激を与えてくれるアプリです。ライドを記録して共有し、データを楽しめるトレーニングアプリとして、世界約200カ国、3200万人以上ものユーザーを抱えており、その存在を知っている人も多いかと思います。

ライドを記録して共有。データを楽しめるトレーニングアプリ「STRAVA」

ライドを記録して共有。データを楽しめるトレーニングアプリ「STRAVA」

 

今や誰でも走った記録を保存し、SNS等で広く発信することができる時代です。走行データには、GPSに基づいたルートの軌跡をはじめ、パワーや心拍数、ケイデンスなどライダーやバイクからのデータなど、趣味で楽しんでいるサイクリストのデータとは思えないほど本格的なデータを記録できます。そして、専用サイトやSNSで大勢のサイクリストと共有することで、ライド後の楽しみも格段に増えます。

 

STRAVAのアプリ

STRAVAアプリ

 

STRAVAは、iPhoneやAndroidのスマートフォンに、STRAVAのアプリをインストールするだけで簡単に楽しむことができます。また、パソコンでも使うことができます。

スマートフォンはもちろん、パソコンでもサイトを開くことができる

スマートフォンはもちろん、パソコンでも楽しむことができる

 

初心者なら、STRAVA自体をサイクルコンピューター代わりにすることもできます。もちろん、ほとんどの自転車専用のデバイス(サイクルコンピューター)と連携できます。サイクルコンピューターで記録して、STRAVAへログを保存し、公開することも可能です。

 

無料で始めることができる

STRAVAは簡単な登録だけで無料で始めることができます。トレーニングのプランニングやログデータの分析など有料プログラム(STRAVA SUMMIT)もありますが、無料サービスだけでも十分魅力があります。

まず、記録したデータは、フィード(タイムライン)にアップされます(公開設定の場合)。ここでは、知り合いなどフォローしているユーザーのアクティビティも流れてきます。STRAVAを始めたら、まず知り合いを検索して、積極的にフォローしてみましょう。

データには、GPSに基づいたルートと距離、タイム、獲得標高、カロリーが表示されます。加えて、走行ルート上のある一定区間を切り出したセグメントデータが表示されます。セグメントのリーダーボードでは、全てのユーザーの中で何番目のデータなのかランキング化されるため、頑張るモチベーションになるだけでなく、他の人がどのくらいのタイムで走っているのかもわかります。人気のヒルクライムコースのセグメントでは、タイムアタックをしてランキング上位を目指す遊び方もできます。

STRAVAのライドログ

STRAVAのライドログ

 

STRAVAチャレンジとクラブ

ロングライド派なら、「STRAVAチャレンジ」や「クラブ」を活用すると走るモチベーションが高まります。STRAVAチャレンジでは、一定期間で目標距離を走るイベントなど、100人から10万人規模まで大小様々なイベントが立ち上がっています。興味のあるイベントに参加して、楽しむことができます。

STRAVAチャレンジの例:Le Col 150km Challenge

STRAVAチャレンジの例

 

クラブは、SNS上のグループのようなものです。メンバー1000人近い「荒サイ倶楽部」をはじめ、SNSとリアルな現場をつなぐグループもあります。

クラブの例:荒サイ倶楽部

クラブの例

 

有料プログラム STRAVA SUMMIT

有料プログラム STRAVA SUMMIT

 

最後に、有料プログラム STRAVA SUMMIT(フルパッケージ・月額800円)の特徴を紹介します。「トレーニング」「セーフティー」「アナリシス」の3つのパックが用意されていて、ユーザーのニーズにあったパックを1つから選ぶことができます(1パック・月額300円)。

有料プログラム STRAVA SUMMITの3つのパック

有料プログラム STRAVA SUMMITの3つのパック

 

個人のベストタイムや他のユーザーとリアルタイムに競い合うことができるライブセグメント機能など、効率的なトレー二ングをサポートするツールやプランが展開されているのが、トレーニングパックです。

セーフティーパックには、指定した友達や家族にだけ自分の位置情報を共有できる「Beacon(ビーコン)」機能が含まれており、ひとりでライドを楽しむサイクリストの安全性を飛躍的に高めてくれます。

アナリシスパックでは、パワーなどのパフォーマンスデータを詳細に分析できます。

 

いかがでしたか。ライドを記録して共有するSTRAVAは、日々淡々とライドを楽しんでいる人に、新たな刺激と楽しむフィールドを提案する魅力的なアスリート用のアプリなのです。

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

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