漕ぎ出しで踏んでいませんか!? ~ロングライドで役立つライディングテクニック~
たくさん練習して体力をつけることだけが、速くなる方法ではありません。ちょっとしたコツや意識の持ち方次第で、今よりもずっと楽に走れるようになるのが自転車というスポーツです。ここでは、すぐに実践できるライディングテクニックを紹介します。
体へのダメージを抑えるためのコツ
ロングライドなどで徐々に足に疲労が溜まってきて、足に張りが出たり攣ってしまったりすることがありませんか。今回のテーマは「立ち上がりで頑張って踏まないこと」です。これを実践するだけで、体への無駄なダメージを抑えることができます。
左:◎シフトチェンジ(ギヤ変速)を上手に利用、右:×踏み込んでダッシュする
高トルク加速のダメージ
赤信号や小休憩からの再スタート時、あなたはどのようなペダリングをしていますか。加速するためには、重いギヤで踏まないといけないと思っていませんか。
初心者はもちろん、筋力に自信のある男性ほどグイグイと重いギヤで加速しがちです。確かに、加速している感はありますが、高いトルクをかけ続けることになるため、足の筋肉へのダメージは予想以上に大きくなります。
加速方法
具体的にどのように加速したらよいのでしょうか。まず、停車状態から加速する時、リア側のギヤはなるべく大きめ(ロー側)ギヤを選び、強く踏み込まなくてもペダリングができるトルク感を意識しましょう。そして、加速と合わせるようにしてギヤを1枚ずつ小さく(トップ側)にシフトチェンジしていきます。
ポイントは焦らずに加速していくことです。けっして、ゼロ発進のタイミングでトップ側のギヤを選ばないように気をつけましょう。
加速に合わせて変速できていれば、ペダリングに引っ掛かりがなく滑らかなシフトチェンジを実感できます。
停車前にローギヤへ
軽いギヤで加速し出すためには、停車時(信号ストップや休憩)の直前までにトップ側からロー側へのシフトチェンジを終えておくことが大切です。
時速30km近いスピードが乗っている状態から信号ストップをした場合、当然ギヤは重めのはずです。再スタート(ゼロ発進)時に軽めのギヤから踏み込めるように、停車の直前にギヤを数枚ロー側(軽め)へとシフトチェンジを行っておくことがポイントです。
◎:停車前にローギヤへ
×:トップギヤのまま停車
ポイントは2つ
今回のテーマ「立ち上がりで頑張って踏まない」のポイントは2つです。
ひとつ目は、信号ストップや休憩から再出発時は、スピードを上げようとして頑張って踏み込まずに、スピードの変化に合わせてスムーズにシフトチェンジをしていくことです。
2つ目は、停車前には重めのギヤ(トップ)から軽めのギヤ(ロー)へシフトダウンしておくことです。
初心者の多くが2つ目を実践できていないため、再加速時に重いギヤを踏まなければならず、スムーズな加速ができないのです。
次の休日にロングライドへ出かける時、停車直前のシフトダウンと、加速時に踏みすぎないことを心がけて走ってみましょう。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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