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レースで力を100%出すためにレース前に実践していること

今シーズンの自転車イベントのエントリーも続々開始され、すでにいくつかのレースに参加している人もいるかもしれません。今回は、エンデューロ、ヒルクライム、ロードレースなどの自転車レースで、全力を出し切るために、誰でもすぐに実践できる対策を紹介します。ちなみに、これらは私自身が普段からレース前に取り組んでいる内容です。

 

交代浴とセルフマッサージで疲労を抜く

まず、目標とするレースが近づくほど、心の焦りからトレーニングを詰め込みすぎることがあると思います。しかし、直前1週間前からのフィジカルトレーニングは、疲労が残ってしまうだけで逆効果です。また、フィジカルだけでなく脳にもストレスが加わり、レース本番に向けたメンタルコンディショニングにも支障をきたします。

そのため、レース1週間前からは、疲労を思いっ切り抜くことに専念しましょう。具体的な対策としては、1日の終わりのお風呂で、お湯と水の交代浴をオススメします。毛細血管の拡張と収縮が繰り返されて体内循環が改善されます。さらに、就寝前にはセルフマッサージを無理のない範囲で15分ほど行うようにしています。このとき、アロマオイルを使用すると、肌の滑りが良くなるためマッサージがやり易くなるのでオススメです。起床時に体の浮腫みが解消して、体が軽くなっていることを実感できます。

アロマオイル

アロマオイル

 

安静時心拍数をチェックする

つぎに、レースに向けて体調を高めていく時には、安静時心拍数を活用しています。疲労が蓄積していたり体調が悪かったりすると安静時心拍数は高くなります。レース1週間前からは体を休める方向に持っていき、安静時心拍数を下げるように心がけています。

なお、レースに向けて調子を高めることをピーキングと呼びますが、パワーメーターを活用し、TSBという数値を把握することでも調子の波をつかむことができます。

安静時心拍数をチェック

安静時心拍数をチェック

 

プレクーリングでパフォーマンスを高める

続いて、レース当日の対策として覚えておくと、パフォーマンス向上に直結する対策を紹介します。

7~10日の間、暑い環境で体を暑さに慣れさせることを暑熱対策と呼びますが、体調を崩すリスクもあるため、ホビーレーサーにはあまりオススメしません。

逆に、夏場など暑い環境下のレースでは、プレクーリングという方法を実践しています。これは、レース直前のウォーミングアップ中に深部体温を上げないように、氷袋などで体温を下げて上げることです。人間は深部体温が40度を超えると急激に運動パフォーマンスが低下することが最新の研究結果でわかっています。冷やす部位は、熱を放射しやすい手の平や足の裏、さらに首の頸動脈です。私は、夏場のレースでは実践するようにしています。

一方で、寒冷地での早朝ヒルクライムレースに参加する時は、起床後に、2~3分だけサッとお風呂に浸かるようにしています。皮膚の表面温度を高めることで、血流を促進して筋肉を呼び覚ますことができる感覚があります。

プレクーリング用の氷袋

プレクーリング用の氷袋

 

レースプランの引き出しを用意する

この他に、メンタルコンディショニングも大切です。

まずはレースをどのように走るのかを事前に考えておくと、レース中に冷静な判断ができるようになります。このとき、良いレースプランだけでなく、調子が悪かったときのレースプランもイメージしておくことで、仮に本番で悪くても冷静になれるため立て直し易くなります。悪いプランもイメージしておかないと「想定外」となり、冷静さを失ってしまいます。このように、自分の中にレースプランの引き出しを多く用意しておくことが大切です。

レースプランの引き出しを用意しておこう

レースプランの引き出しを用意しておこう

 

好きな音楽のプレイリストを作る

レース会場ではスタート時間までの間、好きな音楽を聴いて過ごしています。こうすることで集中力を高めることができます。

ポイントは、レース直前のメンタルをニュートラルに調整することです。具体的には、気分が下がっている時はテンションが高めの音楽、気分が上がりすぎている時は、やや落ち着いた音楽を聴くようにしましょう。事前に、両方のパターンでお気に入りのプレイリストを作っておくことをオススメします。

好きな音楽のプレイリストを作っておこう

好きな音楽のプレイリストを作っておこう

 

いかがだったでしょうか。私自身がレースで結果を出すために、普段取り組んでいる取り組みを紹介しました。ひとつでも参考になった点があれば、この記事をシェアして頂ければうれしいです。それでは今シーズンも自転車レースを楽しんでいきましょう!

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

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