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安全で安心な下りのスキル その2 ~下り坂でのコーナリングスキルを紹介~

上り(ヒルクライム)や平地と違い、タイムなどで得手不得手を客観的に判断しにくいのが下りのスキルです。初心者はもちろん、ベテランでも下りのスキルが身についているサイクリストはさほど多くいません。

前回は、安定して下るために必要な前後の重心位置を紹介しました。ポイントは2点ありました。ひとつ目が、前後の荷重を坂の勾配に合わせるために、サドルの座る位置を微調整することでした。そして、ふたつ目が左右のクランクへの荷重を均等にするためのクランク3時と9時の水平ポジションでした。詳しくは、こちらで復習してください。

今回は、下り坂でのコーナリングスキルを紹介します。

 

ハンドル主導で曲がろうとせず体の左右位置で曲がる

コーナーでは、タイヤのグリップを最大限に発揮させながら走ることが、安定した安全なコーナリングに繋がります。

コーナリング中のポイントは、大きく2つあります。

まずは、曲がるからと言って、ハンドル主導で曲がろうとしないことです。初心者がハンドルだけでコントロールしようとすると、体の左右への荷重の微調整でコントロールするという意識が薄れてしまいます。あくまでコーナーでのバイクのコントロールは体の左右への微調整で行います。

 

外足荷重は正解だけれど・・・

ふたつ目が、左右の足のポジションです。「コーナーでは外足荷重で下ることが大切」とはよく言われていることです。当然、どちらの足をクランクの下方向にするのかは、外足側で正解です。

ここでポイントになることは、外足に100%の荷重をかけないようにすることです。

コーナリング中は必死にタイヤのグリップを効かせようとして、足を伸び切らせてグッと踏み込んでいる人が大半です。これでは、タイヤのグリップは高めることができても、わずかなコーナーの曲がり(R)の変化やラインを変更したいときの微調整ができません。曲がっていたコーナーが、予想以上にタイトだったりする対応できません。コーナリング中にラインが膨らんでしまうのは、コーナー進入時に外足100%荷重になっているケースが多いことが原因です。

膝が伸び切らず荷重を調整できる

膝が伸び切らず荷重を調整できる

 

下死点ではなく5時くらいの位置で、膝が伸びきらない足の角度

そこで、足を下死点ではなくクランク5時くらいの位置へとずらすことで、足の伸びきりを防ぎながら、ペダルへの踏ん張りを効かせることが可能です。タイヤのグリップを感じながら下ることできるうえに、タイトなコーナーに対しても足をさらに伸ばして踏ん張る「伸びしろ」を残せているため、コーナリング中の変化にも柔軟に対応できます。

初心者にとっては「外足を伸び切らせない」ポジションはやや難しいかもしれませんが、必ず習得しておきたい下りのスキルのひとつです。ただ外足を力任せに荷重させるのではなく、外足荷重の力の加減を自在にコントロールできるポジションを身に付けることが大切です。

 

下り坂でのコーナリングスキルのポイント

最後に、下り坂でのコーナリングスキルのポイントをまとめますので、再度確認して週末に実践してみましょう。

 

下りでのコーナリングスキルを身につけて、自信を持って下りのコーナーを走れるようになりましょう。

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

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