気温や走りのスタイルに合わせた秋冬ウエアコーディネート
自転車の魅力のひとつは、四季を五感で感じられるところでしょう。気づけば猛暑続きだった夏も終わり、肌寒い日も増えてきましたね。あっという間に寒さが堪えるウィンターシーズンの到来です。ここでは、秋~冬シーズンにかけての快適ウエアリングのポイントを紹介します。
ポイントは防風性と吸湿速乾性
寒い時期のウエアリングのコツは、外気からカラダの冷えを防ぐことと、内側からの発熱をうまく外へ逃がしてあげる吸湿速乾性を両立することです。防寒対策だけでは、ジャージの中に熱がこもってしまい蒸れを起こしてしまい温度調整がうまくいきません。汗冷えの原因にもなってしまいます。
最近スポーツバイクを始めたばかりの方の中には、自転車専用ではなく保温性の高い一般的なヒートテックウエアやインナーを愛用している人もいるかもしれません。でも、冬のウエアこそ、自転車専用に設計されたサイクルジャージを着用する価値があります。
シーン別の具体的なウエアリングを紹介
まず、同じ冬でも秋口から冬にかけて(10~12月)と真冬(1~2月)でスタイルが変わってきます。
秋は朝晩と日中で寒暖差があるので、走りながら温度調整ができるウエアを選びましょう。
真冬のジャケットに求めたい機能は大きく2つ。ひとつが、氷点下にも対応する防風機能。もうひとつが、ジャージの中に適度に熱を滞留させて保温性を保つ機能です。
ここでは、シーン別に具体的なウエアリングを紹介します。
朝晩と日中で寒暖差が大きい秋
吸湿速乾性に優れる長袖ジャージに加え、保温性と透湿性に優れるインナーウエアを着用します。気温が高い日は、半袖ジャージにアームカバーを組み合わせると温度調整がしやすいです。パンツも同じく、膝上丈のビブショーツにレッグカバーを活用しましょう。
膝上丈のビブショーツ
夕方になると気温がグッと下がるので、携帯性に優れるウィンドブレーカーがあると安心です。なお、ポケット付きのウィンドブレーカーであれば、ジャージにプラスして収納力が増すのでオススメです。
ウィンドブレーカー
1日を通して気温が上がらない冬
冬用のジャケットには、前面に防風素材が採用されており冷気をシャットアウトしてくれる一方で、背面は熱を逃がす速乾性に優れる素材を使い分けた機能性モデルがオススメです。裏生地に起毛素材を採用するモデルも多く、秋から冬にかけての寒い日にも対応します。
冬用のジャケット
パンツには、膝まわりの冷えを防ぐ膝下丈のビブショーツをコーディネートしましょう。
膝下丈のビブショーツ
末端を冷やさないために、薄手の長指グローブやトゥカバーも活用しましょう。
薄手の長指グローブ
トゥーカバー
氷点下にもなる真冬
裏起毛素材など保温性を約束する素材を採用するジャケットがベースになります。くるぶしまで覆うロングタイツと組み合わせましょう。
厚手で保温性の高い冬用ジャケット
ジャケットだけでなくタイツにも前面防風素材と裏起毛を採用することが多く、厚手の生地が特徴になります。そのため、ペダリングの動きを阻害しない立体縫製を採用する機能性ビブタイツがオススメです。
厚手で保温性の高い冬用タイツ
末端を冷やさないためのアイテム
このように、冬の天候(気温)に合わせた3つのウェアリング術を紹介しました。
このほか、冬は手先や足先などカラダの末端を冷やさないためのアイテムも積極的に活用しましょう。長指の冬用グローブやシューズカバー、首回りを冷やさないネックカバーなどは快適な冬のライドを約束する必須アイテムです。また、日没も早い秋冬はリフレクターを採用するアイテムを選び安全性を高めてあげましょう。
冬用グローブ
シューズカバー
ネックカバー
気温だけでなく走りのスタイルに合わせたコーディネート
最後に、ウエアリングのコツは気温を基準にしつつも、その日の走りのスタイルに合わることも大切です。
ロングライドなら、レース的な走り方よりも発汗量が少ないため、防風性と保温性の高いジャケットがオススメです。一方で、よりアクティブにヒルクライムなどを楽しむなら、体温の上昇を想定して、あえて薄手の長袖ジャージを選んでも良いでしょう。
ジャージポケットにはウィンドブレーカーかジャケットを携帯し、下山時に重ね着をします。末端を冷やさないための長指グローブやシューズカバーも必須です。これらを入れた小さなバックパックを背負うスタイルもオススメです。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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