梅雨を快適に走るためのノウハウ

梅雨でも対策次第では快適
今年も新緑が気持ちよい自転車シーズンが始まったかと思ったら、日本列島は雨の多い梅雨の時期に突入。これから梅雨明けまでの約1ヶ月は、天気と相談しながら自転車を楽しむ時期の始まりだ。そんな梅雨のシーズンでも、雨対策の装備や走り方の工夫次第では、梅雨でも快適にライドを楽しむことができる! ここでは、雨天時でも快適性をキープできるウエアをはじめとするアイテムやあると便利なアイテム、そして万一の時に使える実戦対策までを紹介します。
身体の濡れを防ぎ体温低下を防ごう
カラッと晴れた時期ならば、ジャージとショーツの軽装でも快適に走れるだろう。一方で雨天時のライドでは、雨対策をしなければ快適に走ることはできない。雨天時のオススメのウエアリングはどのようなものだろうか。まず、肌に触れているジャージやソックスが濡れてしまうと、急に快適度が低下してしまう。それだけでなく、梅雨の時期でも山などの高地では急激な体温低下も招いしてしまうので注意が必要だ。
雨天時の基本スタイルは、ジャージの上にレインウエアを着用する。専用のレインウエアは、体内の熱を発散するベンチレーション機構が付いており、防水効果だけでなく蒸れも防いでくれる。また、乗車時にシワができにくく身体にフィットする立体裁断で設計されていることも多く、ライディング中のウエアのバタつきを防いでくれる効果もある。さらに、薄手のナイロン製素材がコンパクトなりジャージのポケットへの携行性にも優れる。
雨天時には、身体の末梢部が冷えやすいので手先や足先のケアも大切だ。通気性に優れる薄手のグローブではなく、ヒルクライムの下りなどでは厚手の冬向けのグローブも活用できる。防風・撥水加工が施された素材が雨の侵入を防ぎ、保温性を高めてくれる。足先には、ナイロン素材のシューズカバーがオススメだ。シューズ内部への雨の侵入を防ぐことができる。ソックスが濡れてしまうと、スレやマメなどの足トラブルを引き起こしやすくなるので注意したい。
レインウエア、防寒グローブとシューズカバーは雨天時の必須アイテム
視界の確保と快適バイク装備
このほか、走行中に雨によって視界が遮られることがないようにアイテムを用意しよう。サイクルキャップは、頭部からの雨の流入を食い止めてくれる。そして、キャップのツバが前面からの水滴の落下を防いでくれる。また、雨粒の目への侵入を防ぐためにはアイウエアも欠かせない。
雨天時の視界確保にはサイクルキャップとアイウエアがオススメ
雨天時のバイクの装備には、タイヤの泥はねを防いでくれるフェンダーがオススメだ。シートポストなどに固定するタイプから折りたたんで携帯できる簡易的なものまでラインナップは豊富だ。また、グリップが効き、パンクのリスクを防いでくれるウエットコンディションに強いタイヤの選択も重要だ。
ビニール袋とゴム手袋が役に立つ
ここまで紹介してきた雨対策のウエアとバイク装備が揃っていれば梅雨のライドでも快適性を約束できる。でも、時には雨対策を忘れしまったなんて言うこともあるだろう。そんな時に役立つ応急処置を紹介したい。
突然の雨に降られ、シューズカバーもない場合は、コンビニなどで入手可能なゴミ袋を活用しよう。まずソックスを脱ぎ、素足にゴミ袋をかぶせてからソックスを履く。これで、最悪シューズやソックスが濡れてしまっても足自体が濡れることがなく、足を冷えから守ってくれる。同じく、手先も素手に防水効果のあるゴム製の手袋をはめた上にグローブをしよう。メンテナンス用のゴム製の手袋がおすすめだ。耐久性が高く、フィット性も高い優れものだ。
エマージェンシーとしてビニール袋やゴムグローブが役に立つ
ライド後の最低限のメンテナンスが大切
雨の中でのライドを終えたら、愛車のメンテナンスも忘れずにしてあげよう。ライド後は、チェーンの油が落ちてしまうので、ライド後に注油したい。チェーンやスプロケットのギヤの水気を取りしっかりと油を挿し、大切な愛車を錆びから守ろう。このほか、ライトやサイクルコンピューターなどのアイテムへの水の侵入がないこともチェックしたい。
最低限の雨天対策さえできれば雨の中でのライドも快適だ。万が一の雨天対策とライド後の最低限のメンテナンスを実践して、今年の梅雨シーズンは積極的にライドへ出かけよう!
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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