ヒルクライムでカギを握る3つの課題とSGX-CA600の活用法
「坂道を速く走れるようになりたい!」ヒルクライムレースにおける最良の結果は、自己ベストの更新です。もちろん、最速タイムで優勝できれば理想的ですが、多くのヒルクライマーにとって自己ベストを更新することこそが、最高の結果です。ここが着順ファーストなロードレースなどの他の種目とは異なる点です。
さて、ヒルクライムで自己ベストを出すためには、今持っている力を出し切ることが大切です。100ある力を100出し切ることは難しくないようにも感じますが、多くの人ができていません。特に初心者の場合、オーバーペース、不安定な出力、非効率なペダリング、これさえ解消できれば自己ベストの大幅更新は可能です。
オーバーペースを防ぐ!
サイクルコンピューターに表示される出力(パワー)をチェックしながら走り出しましょう。抑えているようでもアドレナリンによって高いパワーが出ていることがほとんどです。「意外とまだ踏めている」と思って調子に乗っていると、早い段階で出力が下降してしまいます。ひたすら坂道が続くヒルクライムの場合、一度オーバーペースになった時に体へのダメージを落ち着かせるポイントがないので注意しましょう。
パワーをチェックしオーバーペースを防ごう
不安定な出力を一定にする!
出力の上げ下げがあるほど体への負荷は高まります。レース中、可能な限り出力が一定になるように走ることがヒルクライムの鉄則です。そのためには、ケイデンスを一定に保ちつつ、トルクの変化を足で感じながら意識的にシフトチェンジを行うことがポイントです。出力のバラツキを防ぐために、3秒平均のパワーを表示するのがおすすめです。
非効率なペダリングを改善する!
無意識にペダルを踏んでもクランクは回転してくれますが、トルクの入力方向(ベクトル)を意識することでパワーロスがないペダリングへ近づけることができます。上死点から早めに踏み込む意識を持ち、逆に下死点のタイミングでは踏み込まないようにします。また、ケイデンスの上げ下げが大きすぎると、ペダリング効率を上げることが難しくなります。
上死点から早めに踏み込み、下死点では踏み込まないようにする
ヒルクライム対策に便利な機能を紹介
ヒルクライムで多くの人がやってしまいがちな、これらの3つの課題は、パイオニアのパワーメーターであるペダリングモニターを使うことで解決できます。さらに、最新型のGPSサイクルコンピューターであるSGX-CA600と組み合わせることで、より実践的なヒルクライムに特化したトレーニングに取り組むことができます。ここでは実際にヒルクライムレースを目指す時に便利な機能を紹介します。
その1 「トレーニングアシスト機能」で効率的なメニュに取り組める
トレーニングアシスト機能を活用すれば、登録されているメニーに沿って、段階的に適切な負荷をかけることができます。ビギナーから上級者向けまで豊富なメニューが用意されています。また、ヒルクライム能力を高めたい人のためのメニューもあるため、効率的にレベルアップを図れます。
トレーニングアシスト機能
その2 「ライブセグメント」機能でレース気分!
トレーニングアプリSTRAVAに登録すると、SGX-CA600のディスプレイに過去の自分やKOM(峠の最速)のタイムを表示させながら走れます。ライバルと競走している感覚になれるので、ひとりで走っている時よりも断然モチベーションが高まります。つまり、かなり追い込んだ質の高いトレーニングが可能になります。
ライブセグメント機能
その3 「シミュレーション」機能で本番コースを試走
SGX-CA600とスマートトレーナーを組み合わせて使用することで、過去のログデータのコースの斜度を再現し、マップやコースプロフィールを表示しながら疑似走行体験が可能です。自宅にいながら本番と同じコースで試走ができるメリットは大きいです。シミュレーションでコースの試走を繰り返すことで、コースに合わせた走りが磨かれてタイムアップに繋がります。
シミュレーション機能
その4 「ナビゲーションシステム」のコースプロフィール(高低図)が便利
ヒルクライムのコースのスタートからゴールまでの距離や、現在の地点、さらにコースの高低図から坂の勾配感を事前に把握できます。初見コースでもメンタルを楽にしてくれるメリットがあります。ペース配分に役立ち、飛ばしすぎや逆に力が余ってしまったなどの失敗が減ります。
ヒルクライムのゴール
これら4つの便利な機能以外にも、SGX-CA600にはヒルクライムのフィジカル強化とスキル向上に役立つ機能が数多くあります。ペダリングモニターと組み合わせることで、レースに向けて何から取り組んでいけば良いのか不安を抱えている初心者を大いにサポートしてくれることでしょう。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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