らくライド

ロードバイクをらくしく乗るためのサイト

あなたの写真を載せてみませんか?写真を投稿する

鉄は熱いうちに打て! ~ヒルクライムで目標を達成するためのトレーニングの改善と工夫~

日本屈指の山岳コースにして、ヒルクライマーたちの聖地として大人気の乗鞍岳(長野と岐阜の県境に位置する)。長野側から登る全長およそ20kmの乗鞍エコーラインでは、ヒルクライマーたちが一年に一度挑戦する「マウンテンサイクリングin乗鞍」(通称、乗鞍ヒルクライム)が開催されています。

私も8月末に行われた大会に、14年連続で参加してきました。毎年気合いを入れて挑んではいますが、今年はなかなかトレーニング時間を確保できず、1ヶ月弱で体を作る突貫工事になってしまいました。結果は、過去10年で最もタイムを落としてしまい、毎年のノルマにしている目標の60分切りに及びませんでした。

さて、目標タイムを達成できた人もいれば、できなかった人もいることでしょう。「来年こそは達成したい!」「もっと上を目指したい!」と、誰もが気持ちを新たに来年の大会に向けて1年間を過ごしていくことでしょう。

これから1年間トレーニングをしていく上で大切なことは、そのやる気を結果に結びつけるための具体的なトレーニング計画の構築です。せっかくトレーニングに取り組むのであれば、効率的にパフォーマンスを高めて、確実に目標を達成したいところです。

そこで、私自身の体験も踏まえて、誰でも今すぐに取り組める具体的なトレーニングの改善と工夫を紹介していきます。

 

短期的ではなく長期的な計画を立てる

まず目標レースまで取り組んできた期間を振り返りましょう。トレーニング期間が長く取ることができれば、トレーニングの量を増やせるだけでなく、質も高めることができます。

目標を達成できた人も達成できなかった人も、前年と同じことをしていても、目標をクリアすることは難しいため、まずはトレーニング期間を決定しましょう。

ちなみに、私は乗鞍に向けたトレーニングは1ヶ月しか取れなかったため、来年に向けては1年間の長期スパンで心機一転取り組むことに決めました。

短期的ではなく長期的な計画を立てよう

短期的ではなく長期的な計画を立てよう

 

マイ峠で月1回の本気TTを実施する

トレーニング期間を決めたら、より具体的に取り組む内容を決めていきましょう。

モチベーションの維持とパフォーマンス向上の確認には、「マイ峠」を決めることが効果的です。同じ峠で、定期的にタイムトライアル(TT)を行うことで、タイムというわかりやすい指標でヒルクライムのパフォーマンス向上を確認できます。これはモチベーションの向上にも繋がります。

マイ峠を決めるときのポイントは、峠のスペックよりも1ヶ月に2~3回は走りに行けるくらいのアクセスのしやすさを優先すると良いでしょう。ちなみに、峠のスペックは、あまり短すぎず3km以上の距離を確保できると理想的です。

なお、月に1回のTTはレースと同じくらいの気持ちで挑戦することがポイントです。1年計画であれば1年後に向けて合計12回のTTを実施することになります。

冬場に峠へ行くことができない場合は、インドアトレーニング「Zwift(ズイフト)」を取り入れることも工夫のひとつです。実際、私もアルプ・デュ・ズイフトと呼ばれる距離12kmの本格的なヒルクライムコースをマイ峠のひとつにしています。

同じ峠で定期的にタイムトライアル(TT)を行おう

同じ峠で定期的にタイムトライアル(TT)を行おう

 

パワートレーニングを取り入れる

パワーを指標にした科学的トレーニングを取り入れて見ましょう。初心者の場合、まずはパワートレーニングの専門用語は気にせず、毎回のトレーニングデータを蓄積していきましょう。パイオニアのデータ解析ソフト「シクロスフィア」は、トレーニング時のパワー分布などが視覚的に把握しやすいためオススメです。

トレーニングの中で、偏ったパワー領域だけをせず、ヒルクライムレースに必要なパワー領域を狙ってトレーニングをしましょう。L2~L3のベースパワーに加え、L4以上の高い領域も鍛えることがパフォーマンス向上に繋がります。

視覚的にパワーレベルを確認できるパイオニアSGX-CA600

視覚的にパワーレベルを確認できるパイオニアSGX-CA600

 

データ解析ソフト「シクロスフィア」

データ解析ソフト「シクロスフィア」

 

レースに積極的にエントリーする

「レースは最も効果的なトレーニング」と言われるように、トレーニング計画の中にレースを積極的に取り入れることをオススメします。普段のトレーニングのモチベーションが向上するだけでなく、力を出し切る感覚を養うことができます。また、レース経験が浅いビギナーは、実際のレースの走ることで、普段ひとりで走っている時とは違うヒルクライムレースの走り方を学ぶことができるでしょう。

レースは最も効果的なトレーニング

レースは最も効果的なトレーニング

 

鉄は熱いうちに打て!次のレースに向けてモチベーションが高いうちに、これまでのトレーニングを振り返って改善し、今後に向けてトレーニングを工夫していきましょう。皆さんも次のレースで目標を達成できるように頑張りましょう。私も頑張ります!

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

Tweet
↑ページの先頭へ