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レースまであと1ヶ月でできる、ヒルクライム直前対策

今年も、いよいよ自転車のイベントシーズンが本格的に始まりました。皆さんと同じように私自身も、多くのヒルクライムやロングライドイベントに参加予定です。そして、気づけば最初のヒルクライムレースまで1ヶ月を切っています。この時期に焦り出すのは、毎年のお決まりですが、まだ諦めるのは早いですね! 今回は、残り1ヶ月で取り組むべきヒルクライム直前対策を紹介します。たっぷり時間がある中でトレーニングプランを立てていく王道トレーニングではなく、付け焼き刃に近い対策になります。

 

1ヶ月で実際にトレーニングをできる日は15日ほど

1ヶ月の中で、実際にトレーニングをできる日は、30日のうち15日ほどでしょう。休息日は必要ですし、残り1週間は本番に向けてベストコンディションにもっていく(ピーキングと呼びます)ための期間だからです。

15日のトレーニング日でやれることは限られていますが、やるべきことは3つあります。

 

レースとほぼ同じ運動強度を決めて時間を伸ばしていく

1つ目は、レース本番の運動強度にできる限り身体を慣れさせることです。レースとほぼ同じ運動強度を決めて、その強度をキープできなくなるまで耐えるメニューです。具体的に私の場合は、レース強度がおよそ280Wなら、その強度を最初は6分、次回は8分、10分35秒、12分20秒というように回を重ねるごとに時間を伸ばしていくのです。強度ありきで、時間はあくまでその日の結果です。

このメニューの長所は、初心者を含めて、レースに向けて身体の準備ができていない人でも最後まで実行しやすいことです。最初から15分280Wなどハードルの高いメニューを課しても、最後までメニューを完遂できる確率が下がってしまいます。

 

■メニューA :レース強度を何分耐えられるか!?

強度(レース負荷)を決めて、持続時間を延ばしていきます。わずかでも時間を延ばすことができれば成功です。

 

榛名山ヒルクライムのゴール

榛名山ヒルクライムのゴール

 

段階的に強度を上げて、ペース感覚をつかもう!

このメニューと合わせて取り組みたいのが、5分ごとに運動強度を上げていくメニューです(=プログレッシオーネと呼んでいます)。例えば、160Wで入り、5分が経過したら170Wに上げて、180W、190W、200Wと段階的に強度上げていきます。最初は余裕がありますが、最後はレース強度以上で頑張ることになります。メニューの目安時間は40~60分です。このメニューの目的には、レース強度以上を確実に入れることはもちろん、徐々にペースをあげていくペーシングの感覚をつかむことも目的です。ヒルクライムレースで自己ベストを出すためには、ゴールに向けて徐々にペースを上げていくペーシングが必須です。最初から高強度で突っ込みすぎて、中盤以降でペースダウンしてしまってはタイムが伸びません。

 

■メニューB:段階的に強度を上げて、最後はオールアウト!

ある程度疲労してくる中で、レース強度以上で頑張ります。そして、本番に向けて、力を出し切るペース感覚を身につけます。

 

Mt.富士ヒルクライム

Mt.富士ヒルクライム

 

回復日を設ける

この2つのメニューを交互に取り組みましょう。強度が高いため、しっかり回復日を設けることで1回あたりのトレーニング効率を高めます。本番まで時間がないからと言って、連日トレーニングすることは非効率なのです。

 

■1週間のトレーニングプラン

 

ダイエットには、朝食前の脂肪燃焼ライドが効果的

対策の3つ目は、ダイエットです。やはりヒルクライムでは、体重を軽くするほどラクに走れるようになります。走力レベルや体型にもよりますが、1kgの減量で、1時間のヒルクライムなら3分ほどのタイムアップが期待できます。レース時間が長いほど大幅なタイム短縮が期待できるため、やはりダイエットは効果的です。

注意したい点は、本番までの1ヶ月間でダイエット計画を立てるのではなく、最後の1週間は無理なダイエットはせずに体重をキープするくらいに止めることです。つまり、ダイエット期間は3週間という意識です。

食事面では、間食をしない、摂取カロリーをやや控えるなど、ダイエット対策はいくつもありますが、回復日に60分ほど軽くライドを行うことも効果的です。この時、1日の中でもっとも体内の血糖値レベルが低いタイミングの早朝に運動を行うことで、より効率的に体内の脂肪燃焼効率を高めることができます。起床後、目覚めのブラックコーヒーを1杯飲んでから朝の脂肪燃焼ライドに取り組みましょう。そして、運動強度は、疲労が溜まらない低負荷(L1~L2)で行うことがポイントです。

 

今回は、ヒルクライム直前1ヶ月の“付け焼き刃”対策の紹介でした。残り1ヶ月でトレーニングとダイエットに賢く取り組むことで、1ヶ月後のレースで目標を達成することも十分に可能です。今日から、1ヶ月間だけ頑張ってみましょう!

ヒルクライムレース

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

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