オーバーペースを防ぎ、休憩の目安がわかるインテンシティ ~リアルタイム・インターバル・インテンシティ~
自分の限界に対する追い込み度合いがわかる
ビギナーサイクリストが陥りやすい走りのパターンがあります。それは、カラダも気持ちも元気な序盤に頑張りすぎて、中盤以降はペースダウンして苦しい走りになってしまうというものです。実際に、これまでロングライドイベントやヒルクライムレースで体験したことがあるのではないでしょうか。筆者自身も過去にあります。
ロングライドのイメージ
この誰もが一度は経験してしまうペース配分のミスを防いでくれる指標が存在します。パワーから算出されるリアルタイム・インターバル・インテンシティ(Intensity)です(以下、インテンシティ)。インテンシティは、パイオニアのパワーメーターならではの特徴的な機能で、「自分の限界に対する追い込み度合い」をリアルタイムに表示してくれる新しい指標です。インテンシティは、限界のパワーに対して、今どれくらい頑張っているのかを示します。限界を100%としたときに、負荷レベルをパーセンテージ(%)で計算します。70%以上で辛く感じだし、身体へのダメージは大きくなっていきます。
Intensityの表示を含む画面
ロングライドでは60~70%を目安に走ろう
インテンシティをチェックすれば、ロングライドイベントの序盤は気分が高揚しているため、想像以上に頑張ってしまっていることを実感できるはずです。終盤までペースの落ち込みを防ぎ、パワー一定で走り切るペーシングが理想のロングライドでは、インテンシティが70%を超えてきたら足を緩めるか、休憩を入れるようにしましょう。しばらく休むとインテンシティは下がり、40%程度になったら再び走り始めると、その後も楽に走り続けられます。
ロングライドでの休憩イメージ
インテンシティは、パイオニアのサイクルコンピュータ画面上で「Intensity」と表示されます。表示される数値は、過去3ヶ月分のMMPデータから任意に設定した持続時間の平均最大パワーに対する割合を%(パーセント)で表したものです。たとえば、持続時間を10分で設定している場合、過去3ヶ月間に、10分間の最大パワーが250Wで、いま実施している10分間の平均パワーが190Wだとします。この時のインテンシティは76.0%になります。
Intensityの表示画面 20分
Intensityの表示画面 60分
序盤を抑えれば安定したペース配分が可能
このようにロングライドシーン、特に冷静さを失いやすい序盤では、インテンシティをチェックし、70%を目安にして抑えめに入ることで前半の飛ばし過ぎを防ぐことができるのです。
サイクルコンピュータ「SGX-CA500」では「Intensity」を表示できます。表示項目選択画面のデータカテゴリーで「パワートレーニング」、データタイプの中の「リアルタイムインターバルインテンシティ」を選択しましょう。序盤はこのインテンシティをチェックしながらオーバーペースにならないように負荷をコントロールすることで、終盤まで一定パワーをキープした安定した走りができるようになります。
Intensityの設定画面
Intensityの設定画面
パイオニアのパワーセンサーとサイクルコンピューター「SGX-CA500」
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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