ダイエットにパワー計を活用できる
シーズン間近でダイエットに焦る
冬の間にカラダに蓄えてしまった脂肪。体重計に乗ることも避け続け、現在の体重は不明・・・。ヒルクライムやエンデューロ、ロングライドなどのイベントシーズンが始まり、ダイエットをしないとと焦り出しているサイクリストも多いのではないでしょうか。そういう私も、ふくよかになったカラダの肉をつまんで焦っている一人です。
ロングライドのイメージ
栄養バランスを崩さず、活動量を増やす
まず、ごく一般的に知られている体重増減の仕組みは、摂取カロリーと消費カロリーの収支バランスで決まります。1日の摂取カロリーよりも消費カロリーを増やせば、運動時に体内のエネルギーを使用することになるため、身体はダイエットしていきます。
しかし、ヒトのカラダはそんなに単純なものでもありません。無理な食事制限(摂取カロリー制限)は、身体の栄養バランスを崩してしまうことがあります。ダイエットの基本は、三大栄養素と呼ばれる栄養バランスは維持しながら、全体のカロリー摂取を気持ち抑えることです。三大栄養素とは、炭水化物・脂質・タンパク質(PFC)ですね。この理想のバランスは60:25:15です。
そして、アンバランスで極端な食事制限は、消費カロリーのうちの多くを占める基礎代謝量に直接影響する筋肉量を減らすことが知られています。筋肉量が低下してしまったらパフォーマンスが低下するだけでなく、スムーズなダイエットもできなくなってしまいます。
無理なく確実にダイエットを成功させるためには、運動によって活動代謝量を増やすことが大切です。その時に役立つものが、運動時の消費カロリーを計算してくれる心拍計であり、パワー計なのです。
仕事量で正確な消費カロリーを把握
体重と心拍数から消費カロリーの推定値を算出する心拍計は、消費カロリー把握の目安になります。そして、より運動時に使われたエネルギー量を正確に把握できるアイテムがパワーメーターです。パワーとは、自転車を漕ぐ際の仕事量(単位はkj:キロジュール)のことです。運動時の熱量を示すため、消費したエネルギーの絶対的な数値なのです。パワーメーターでは、運動エネルギー(消費エネルギー)は、kj(キロジュール)で表示されますが、これはkcal(カロリー)と同様と考えれば問題ありません。サイクルコンピューターの表示画面で「400kj」と表示されたら、「400kcal」消費したのだと思えば良いのです。およそ、おにぎり2個分ですね。
パワーメーターのkj表示画面
このようにダイエット時の指標に活用することで、本格的なトレーニング機材として知られるパワーメーターもスポーツバイクを楽しんで乗っているサイクリストの計画的なダイエットをサポート機材になるのです。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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