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ハシケンのおすすめヒルクライムコース Vol. 3 乗鞍エコーライン(乗鞍ヒルクライム)

2018年8月10日

国内屈指のヒルクライムコースとして知られる乗鞍。8月末には、アマチュアヒルクライマーの頂点を決める「マウンテンサイクリングin乗鞍」が迫っています。今年で13年連続の挑戦になり、乗鞍を知り尽くしたスポーツジャーナリスのハシケンさんがコースの魅力と攻略法を紹介します。

 

伝統のアマチュアヒルクライマーナンバーワンを決める舞台

サイクリストなら一度は走りたい天空ロード。ヒルクライマーなら何度走っても飽きない聖地。雲を抜けた先に広がる雄大なつづら折りの坂道を駆け上がった先は、日本の自動車道路最高地点です。長野と岐阜にまたがる乗鞍岳には日本屈指のヒルクライムコースがあります。

8月最後の日曜日に開催される「マウンテンサイクリングin乗鞍」

8月最後の日曜日に開催される「マウンテンサイクリングin乗鞍」

 

標高3026mを剣ヶ峰とする乗鞍岳を駆け上がる乗鞍エコーライン(長野県道84号線)では、毎年8月の最後に人気のヒルクライムレースが開催されています。「マウンテンサイクリングin乗鞍」です。長野県の松本市の西に位置する乗鞍高原をスタートして、20.5km先の標高2716mまで駆け上がります。大会は1986年に初めて開催され、今年で33回目を迎える国内ヒルクライムレースの草分け的存在です。長い歴史を持ち、森林限界を超えた厳しくも美しい高原の絶景ルートを舞台にする大会は、国内のヒルクライマーたちの憧れです。参加者はおよそ4000人。それぞれの目標を胸に全国から集結します。この大会を制することは、アマチュアヒルクライマーのナンバーワンの称号を手にする価値があり、頂点を決めるチャンピオンクラスは毎年熾烈なレースが展開されています。近年は“山の神”と呼ばれる森本誠さんが8度の優勝を飾っています。コースレコードは森本さんの55分08秒です。

日本の自動車道路最高地点を走る絶景コース

日本の自動車道路最高地点を走る絶景コース

 

ここでは、本番まであとわずかに迫った乗鞍ヒルクライムへ出場する人たちはもちろん、天空の絶景を楽しみたい皆さんに乗鞍のコースの魅力と攻略法を紹介します。

 

コースを特徴別に3つに分けて紹介

スタート地点は乗鞍高原の観光センター前です。駐車場や飲食店、トイレがあり乗鞍ライドの拠点になります。すでに標高は1460mもあり、標高2716mのゴール地点までは全長20.5km, 標高差1260mです。ここでは、コースの乗鞍エコーラインを大きく3つのパートに分けて紹介します。

乗鞍高原までは松本市街からクルマで約1時間

乗鞍高原までは松本市街からクルマで約1時間

 

緩やかな勾配が続く第1区間

観光センター前をスタートしてから7km先の三本滝レストハウス前までが第1区間。中盤以降に比べて緩やかな勾配が続きます。2kmすぎの国民休暇村ホテル前をすぎると、木々が生い茂る森の中へ。所々、スピードを乗せられる平坦な区間もありペースを上げたくなりますが、そこは我慢。中盤以降を考えると、序盤の7kmは抑えめくらいのペースで淡々と走ることがポイントです。軽いギヤまでしっかり活用してトルクをかけすぎないようにしましょう。また、同じようなコーナーが連続するのでメンタルで負けないようにしたいです。

序盤は比較的緩やかな勾配が続く

序盤は比較的緩やかな勾配が続く

 

三本滝レストハウス前は標高1800m

三本滝レストハウス前は標高1800m

 

勾配の変化が大きな中盤の第2区間

6.5km地点、広い駐車場のある三本滝レストハウスをすぎると、スキー場の斜面をクロスするように高度を上げていきます。しばらく勾配の変化が大きくペースコントロールが難しいですが、タイトなコーナーでは勾配が急なイン側を走りすぎないようにしましょう(レース以外では交通法を守り、対向車に注意)。この第2区間は14.5km地点の位ヶ原山荘までです。

スキー場の広々とした風景の中を駆け抜ける

スキー場の広々とした風景の中を駆け抜ける

 

急勾配のタイトコーナーが連続する11kmすぎ

急勾配のタイトコーナーが連続する11kmすぎ

 

低酸素のなかに広がる絶景の第3区間

そして、第3区間が森林限界の中を走りゴールを目指すラスト5kmです。標高は2000mを超えて、酸素の薄さやパワーの出にくさを実感するでしょう。いっぽうで、解放的な息を飲む絶景が広がるのもこの区間。まさに乗鞍ヒルクライムのハイライトシーンです。ラスト2kmは雄大な乗鞍岳の稜線を伝いながら日本の自動車道路最高地点をめざしましょう!

位ヶ原山荘を通過するとゴールまでラスト5km

位ヶ原山荘を通過するとゴールまでラスト5km

 

乗鞍のハイライトシーンであるつづら折りの絶景

乗鞍のハイライトシーンであるつづら折りの絶景

 

標高2716m, 日本一高いところにあるバス停

標高2716m, 日本一高いところにあるバス停

 

コース中に2つの大きな難所がある

コース全体の勾配は6.15%で、ヒルクライムレースとしては標準的な勾配です。ただしコースの中で2箇所ほど急勾配区間があり、ここをスムーズにクリアすることがポイントです。1箇所目が11kmすぎから約1km続く急勾配のつづら折り区間。2箇所目が14,5km地点の位ヶ原山荘を通過したあと、ラスト3kmの森林限界に抜けるまでの1km弱の区間。ともに平均勾配9~10%近くある難所になっています。ここを力強く克服できれば大きくタイムを伸ばすことができるでしょう。

登ってきた九十九折りの道路が見渡せる

登ってきた九十九折りの道路が見渡せる

 

<コースプロフィール>

 

コーナー手前でバスの通過を待つ安全走行を!

最後に、乗鞍を走る皆さんへ安全でスマートなライドのお願いです。当たり前ですが、乗鞍エコーラインはコースではなく公共の道路です。三本滝レストハウス以降は、自転車を除く一般車両の通行が禁止されているので、サイクリストにとっては走りやすい環境であることは事実です。ただし、大型の観光バスやタクシーは常に走っています。過去に自転車とバスの事故は起きてしまっています。

バスやタクシーを優先する優しい気持ちをもとう

バスやタクシーを優先する優しい気持ちをもとう

 

ヘルメットは被る。上りがキツくても下を見ずに前を向く。さらに、対向のバスやタクシーはエンジン音で気づきやすいですが、自転車は気づきにくいです。自転車同士の正面衝突を防ぐためにタイトコーナーでのセンターライン沿いの走行は避けましょう。また、コーナーではバスの頭が対向車線に大きく膨らんできます。コーナーですれ違いそうになった場合は、ヒルクライム中であっても、いったんコーナーに入る手前で停止して、バスの通過を待ってあげましょう。ブラインドコーナーも多く、けっして広いとは言えない山岳道路では、譲り合いの精神が大切。心にゆとりを持って安全に乗鞍ライドを楽しみましょう!

 

■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)

スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com

 

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