イベント参加前に自分でできる機材チェック
セルフチェックがトラブルを未然に防ぐ
毎週末、各地でロングライドやヒルクライムが開催されイベントシーズン真っ只中だ。思いっきり自転車を楽しむためには、身体だけでなく愛車のメンテナンスも忘れずに行ってからイベントに参加したい。イベント参加中に機材トラブルが起きてしまうと、イベントを楽しめなくなるだけでなく、落車などアクシデントに繋がり周囲に迷惑をかけてしまう可能性すらある。ここでは、イベント参加前に、ぜひ実践してほしい愛車のセルフチェック方法を紹介する。
ボルトの増し締めとワイヤーの消耗度をチェック
まずは安心してイベントに参加できるようにするため、バイクの安全性を高めよう。スポーツバイクのほぼ全てのパーツはボルト(ネジ)で留めているため、長く乗り続けているとボルトのトルクが緩んでいることがある。走行中にボルトが緩んでしまったら、重大事故になりかねないので注意だ。特にハンドル周り、サドルを固定するヤグラ周り、クランク周り、ブレーキの固定ボルト、ボトルケージの固定ボルトは、イベント参加前にはボルトを締め込む「増し締め」作業を行いたい。
走行前にボルトの増し締めを行い安全性を確認しよう
ブレーキワイヤーの断線も重大なアクシデントを招きかねない。長年乗り続けていると負荷のかかる部分からワイヤーがほつれてしまっていることがある。普段よりも大きな力をかけることがあるレース中の断線だけは防ぎたい。シフトワイヤーとブレーキワイヤーともに、根元部分が摩耗してトラブルを引き起こしやすいので要チェックだ。
変速調整は実走でチェック
変速の不具合も機材トラブルの代表だ。ギヤのシフトチェンジがスムーズでなく、走行中に異音を発したり、変速がうまく行えないこともある。変速調整はイベントで実際に使用するホイールでチェックすることが理想だ。そして、メンテナンス台座の上だけでなく、実走をして実際のトルクがかかった状態で変速調整を行うようにしたい。決戦ホイールに交換してイベントに参加する場合は、専用のブレーキシューへの交換やシューホルダーがきちんとホイールのリムサイドに沿って装着されているかチェックしよう。
変速調整は最終的に実走でチェックを行おう
電器系統の正常作動も忘れずに
このほか、タイヤのパンクもセルフチェックで大幅に防ぐことができる。普段から走っていると、知らず知らずのうちにタイヤの表面が摩耗し、亀裂が入っていることも多い。タイヤは消耗品なので、イベント参加前にタイヤを新調することをオススメしたい。
サイクルコンピューターやパワーメーターなどのペアリングチェックのほか、電動変速機(シマノDi2)のバッテリー残量やライトなどで使用されているボタン電池の残量チェックも忘れずに行おう。
サイクルコンピューターと各種センサーとのペアリングを忘れずに!
機材トラブルを未然に防ぐためには、日頃からかかりつけのプロショップに診てもらうのが理想だが、イベント参加前にセルフチェックを行うだけで、機材トラブルの多くを未然に防ぐことができる。ぜひ、次のイベント参加前に愛車のセルフチェックを実践してほしい。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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