出発前に自宅でできるセルフメンテ
シーズン前に愛車を磨こう
数ヶ月前までの凍えるような寒さが懐かしく感じるほど、桜や菜の花が咲き乱れ春爛漫の日本列島。気持ちよく走れる絶好のサイクリングシーズンです。冬の間は部屋にこもっていたサイクリストの皆さんも、そろそろ外に出てペダルを漕いでみたいと思っていることでしょう。
自転車に乗るのはいつ以来か覚えてますか? 久しぶりに部屋から自分の愛車を引っ張り出して、いざ出発!
と、ちょっと待った! 久々の愛車にほこりはかぶっていませんか? チェーンはカピカピに乾いてしまっていませんか?
その状態のまま、走っていても気持ちよさ半減です。そして、安全面でも最低限のメンテナンスを行ってから走り始めることをオススメします。面倒に思わず、たまには愛車を磨いてあげましょう! 出発前に自宅でできるセルフメンテナンスを紹介します。
オイルを挿す前に必ず洗浄
ここでは、チェーンの状態をチェック。乾燥してしまっていたら、チェーンに潤滑剤(オイル)を挿すだけでいいと考えている人も少なくありません。でも、それは大きな間違い。ほこりやゴミが絡み合って黒ずんだチェーンに、オイルを挿すことは、沈殿した泥水をかき乱すようなものです。
チェーンの掃除の基本は、まず洗浄剤で汚れをしっかりと落とすことです。チェーンの間の汚れ落しは、専用のチェーンクリーナー(洗浄剤)を使いましょう。ノズルが付いたタイプで噴射によって、チェーンの隙間の汚れを落とします。この時、使い捨てのウエス(布)があると便利です。ウエスでチェーンを押さえながら、クランクを回転させれば、効率的に汚れが落ちます。
汚れを落としたら、いよいよチェーンに潤滑剤(オイル)を挿していきます。チェーンのリンク一コマ一コマに、十分にオイルを浸透させます。
最後に、チェーン側面についたオイルを拭き取ってあげましょう。オイルが必要な箇所は、チェーン内部です。側面のプレートについてオイルを残したままにすると、走り始めてすぐに汚れがつきやすくなるので注意しましょう。
まとめ
1、洗浄剤(クリーナー)でチェーンにこびり付いた汚れを落とします
2、潤滑剤(オイル)をチェーンのコマに挿していきます
3、チェーン側面に溢れたオイルを拭き取ります
汚れているチェーン
綺麗にしたチェーン
ネジの緩みやブレーキの確認
続いて、自転車の各所にあるボルト(ネジ)に緩みがないかチェックしましょう。特に、ハンドルとステム周りの緩みは、安全面からも確実に締めておきたいです。さらには、ブレーキがしっかりと作動することをチェックしましょう。ホイールとブレーキシューとの接触面に異物が詰まっている場合もあるので注意。小石など異物を取り除かないで、そのまま走行するとホイールのリム面を傷つけてしまう原因になります。
出発前の最低限のセルフメンテナンスは以上です。愛車を綺麗にするだけでなく、安全性も自分自身で確認することで、安心して自転車シーズンを思う存分に楽しむことができるでしょう。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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