GPSサイクルコンピューター ナビ機能とログ機能を使いこなそう!
主流になりつつあるGPS搭載モデル
初めて走る場所でも、道に迷うことなく案内をしてくれるナビゲーション機能。ライド後には走ったルートを振り返ることができる走行ログ機能。これらはサイクルコンピューターに搭載されているGPSシステムによって実現しています。
今では当たり前になっているGPS搭載のサイクルコンピューターも、10年前には一部のハイエンドモデルのみでした。それが、今ではサイクルコンピューターと言えばGPS搭載がスタンダードになりつつあります。
ここでは、GPSとサイクルコンピューターの基本システムを簡単に紹介しつつ、最新のGPSサイクルコンピューターの2つの大きな魅力を紹介します。
GPSからの距離と時間で位置を把握する
まず、地上のサイクルコンピューターに搭載されているGPSチップが、大気圏を飛んでいる衛星から発せられる信号をキャッチし、現在地を補足します。そして、常に信号をキャッチし続けることで、移動した距離と時間から速度を割り出し、移動した軌跡もすべて記録します。
ちなみにGPSとは、グローバル・ポジショニング・システムの略でアメリカの衛星です。「みちびき」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは日本の上空を飛んでいる衛星で、日本国内での補足に優れています。各国様々な衛星が開発されていますが、すべての衛星測位システムを総称して「GPS」と呼んでいます。
ナビゲーション機能
さて、まずは、ナビゲーション機能を紹介しましょう。道に迷いがちな人でも、ナビ機能があれば、ルートを外れて迷うことはまずありません。ナビ機能によって、初めての土地でも安心してライドを楽しむことができるようになるはずです。今やロングライド派のサイクリストに欠かせない機能といえるでしょう。
SGX-CA600でのナビゲーション機能の準備
パイオニアのGPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」でのナビゲーション機能の使い方はシンプルです。
ロングライドに出かける前に、「Strava」、「Ride with GPS」といったルート作成アプリで製作したルートデータを、スマホアプリ「Cyclo-Sphere Control App(シクロスフィア コントロールアプリ)」で本体へ自動転送(同期)するだけです。
パイオニアでは、「Ride with GPS」か「Strava」でのルート作成を推奨しています。しかし、今回は、あえて「ルートラボ」で作ってみました。
「ルートラボ」で製作したデータ(GXPファイル)を「Ride with GPS」へアップロードすれば、あとは本体と自動的に同期され、SGX-CA600本体の「コース」→「コース選択」→「コースフォルダ」で、今回作成したルートがアップされます。
■手順1:ルート作成アプリで走るルートを作ります。
■手順2:「ルートラボ」で製作したデータ(GXPファイル)を「Ride with GPS」へアップロードします。
■手順3:シクロスフィア コントロールアプリ経由でBluetooth接続によってスマホから本体へとルートデータが転送されます。
■手順4:「コース」→「コース選択」→「コースフォルダー」の順に進み、取り込んだルートを選択します。
■手順5: 「シクロスフィア コントロール アプリ」の「データフィールド設定」からコースのナビゲーションに最適な項目をディスプレイ上にカスタマイズできます。
■手順6:ナビゲーションを開始します。本体下段のボタン操作で、マップの拡大縮小が可能です。次の道案内を示すQシートの表示など、必要な情報を表示できます。
ライド後はデータアップロードしてライドを振り返ろう
ライドを終えて記録を保存すると、サイクルコンピューター上には、距離や時間をはじめ、平均パワーなど各種センサーからの情報がサマリーとして表示されます。これだけでも、ライドの基本情報を把握できます。ただ、ログデータをアップロードして振り返ることで、より詳しくライド中の情報を知ることができます。
SGX-CA600でライドを振り返る
SGX-CA600の場合、ライド後は、走行ログを記録し蓄積できる専用ソフト「Cyclo-Sphere(シクロスフィア)」へアップロードします。すると、デジタル地図上に、走った全区間のルートの軌跡が表示され、ライドの振り返りができます。
単純にサイクルコンピューター上の走行ログデータ(数字)を見るだけとは違い、「あの場所は景色もよくて楽しかった」「あの海岸線区間は起伏があってキツかった」など、ライドの記憶が鮮明に蘇ってくるでしょう。
このほか、ライド中に測定していた心拍数やパワー、ケイデンスといった各種走行データも同時に表示できます。そのため、例えば、「前半15kmを飛ばしすぎたから、次回は少し抑えめのペースで走りだそう」など、次回以降に活かせる具体策を見つけることもできるでしょう。
■手順7: ライド後は、すぐにスマホのアプリ経由で、データをパイオニア独自の解析ソフト「Cyclo Sphere(シクロスフィア)」へアップロードします。
■手順8:シクロスフィアでは、走行した軌跡を振り返ることができます。データを分析しても良いですが、単純に旅の思い出として振り返ることができるのも魅力といえます。
■手順9:チェックしたい区間のみ抽出して、その区間の詳細データ確認することもできます。シリアスレーサーだけでなく、ロングライド派でも活用できます。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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