パイオニア新型GPSサイクルコンピューター「SGX-CA600」その1 ~開封の儀から操作性をはじめとするハード面を紹介~
パイオニアの新型サイクルコンピューター「SGX-CA600」。今年11月のサイクルモードでお披露目され、いよいよ2019年1月中旬から全国のショップで発売されます。
パイオニアのパワーメーターと言えば、ペダリング時のパワーだけでなく、力の入力方向を示すベクトルを可視化できる「ペダリングモニター」が最大の特徴です。これから複数回に分けて、その頭脳とも言えるサイクルコンピューターの機能を1つ1つピックアップしながら、実践を交えてレポートしていきます。今回は、本体の操作性などハード面について紹介しましょう。
外観やボタン配置
立派な化粧ケースを開きSGX-CA600を手に取ってみます。サイズ感は大きすぎずコンパクトな印象です。長年愛用してきたCA500が横型なのに対して縦型のフォルムを採用。そして、ボディ厚は薄型化しています。
スクリーンサイズは1.97インチから2.2インチへとやや拡張。そして、SGX-CA500はモノクロですが、SGX-CA600はカラー化へ。QVGA(解像度)も高めて、格段に視認性が高まっています。
基本操作をつかさどる側面ハードボタンは、左側に1つ、右側に2つ配置。右下ボタンを長押しすると電源が入り、ワンクリックでスタートします(『ロギング開始』と表示されます)。左ボタンは「戻る」機能、右上は「ラップ」機能などの役割を果たします。これらはCA500と基本配置が同じなので、新型に乗り換えても親しみやすいはずです。
最大の特長は、ディスプレイ下に配した3つのハードボタン。これらは「項目の決定」や「画面の送り」などの機能を持ちます。なお、SGX-CA600ではタッチパネル操作を廃止していますが、その理由については、「操作の確実性を重視したため」だと関係者は話していました。実際、ボタンを押したときに「カチッ」としたクリック感を得られるのはSGX-CA600ならではです。
スマートフォンアプリ
このように、本体側ではハードボタンに集約して確実な操作性を実現したSGX-CA600ですが、それも新しいスマートフォンアプリ「Cyclo-Sphere Control App(シクロスフィアコントロールアプリ)」との連携あってこそ。通信規格を従来のWi-FiとANT+に加えてBluetoothにも対応させ、スマートフォンとの接続を容易にしています。これにより、サイクルコンピューター本体だけでなく、スマートフォン上での各種設定や操作を強化。たとえば、ディスプレイ表示項目の設定、ペダリングモニターの校正、ファームウエアの更新など、複雑な操作をスマホ上で一括操作できるようになっています。なお、新型アプリは2019年1月リリース予定です。アプリからの操作性については、後日改めてレポートします。
実測重量
ここでは、新製品レビューの通過儀礼でもある実測での重量も記載しておきます。ボディの実測重量は92g(カタログ値どおり)とSGX-CA500に対して18g増。これはバッテリーサイズが大きくなったためです。ボディを取り付けるマウント重量は30gで、SGX-CA500に対して5g増。本体とマウントともに微増ですが、気になるレベルではないでしょう。
エアロフォルムを採用したマウント
新設計のマウントにも注目です。空力性能を追求したエアロフォルムを採用しています。素材には強化プラスチックを採用し強度を向上。さらに、クランプ部分の内側にラバーを採用してグリップ力を強化するなど細部まで作りが細かいです。また、ボディ本体との固定形状はSGX-CA600限定ではなく、欧米で人気のWahoo(ワフー)サイクルコンピューターと互換性を持たせています。
ここまで、開封の儀から操作性を中心にハード面のレビューをまとめました。気になるナビゲーション機能やパワーデータに基づく各種機能については、実践インプレッションを交えながら、次回以降から続々と紹介していく予定です。
■記事執筆者:橋本謙司(はしもと・けんじ)
スポーツジャーナリスト。自転車専門誌やランニング専門誌の編集者を経て、現在は、主にライターとカメラマンとして活動。Mt.富士ヒルクライム(一般の部)での総合優勝など、全国各地のヒルクライムレースで優勝多数。愛称は「ハシケン」。ホームページ http://www.hashikenbase.com
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